No doubt!!!!!

関西の”8人の小人”と紡ぐFunkyな日々

特別な日々はいらない 映画「水曜日が消えた」感想エントリ

世の中から「自粛」という概念が行方をくらまし、「不要不急」という言葉も手越くんの会見で久しぶりに聞いたなあというくらい、あの5月末までの日々がはるか昔のことに感じられるようになった。

とはいうものの相変わらず7月もモリモリ在宅勤務しており、職場の人たちとも「外食したいけど在宅勤務推奨してる限りは開催しづらいよね」と、世の中の浮かれモードと冷静な職場との間で揺れ動いている次第ではある。

 

極力不要不急の外出は避け、外出しても3密は回避しようと思っているが、やはりおうち時間だけではどうにも解消できないモヤモヤやストレスのようなものは溜まってしまった。そして私は思った「推しを摂取することは精神安定上全く不要不急ではない」と。

 

というわけで、観てきました「水曜日が消えた」

 

映画は年に数本劇場で観るか観ないかの私ではあるが、久しぶりに「観てよかった」と「もう一回観たい」と感じた作品だった。(ちなみに現時点で2回鑑賞済みで、ムビチケ残ってるからあと1回確実に観る予定)

 

ここから思いのたけをつらつらと(ネタバレ含みます)

 

あらすじ説明するのが苦手なので、気になったらオフィシャルサイトをご覧ください(雑)

wednesday-movie.jp

 

 

■感想箇条書き

中村倫也さんが好きという理由だけで見に行く価値がある

ほぼずっとでずっぱり

 

・とにかく映像が美しい。全体的に明るいもののちょっと淡くて優しい色遣い

監督さんが確か新海誠作品に携わっていたとのことで、色遣いが似ている気がする。(私新海誠作品ちゃんと観てないけど)

端的に言えばニナミカさん作品とは対極。(※余談だがニナミカ配色私は好き)

 

・そもそもの設定が特徴的ではあるものの、物語の中ではすごく大きな事件が起きるわけでもドキドキハラハラする展開があるわけでもない、だけど引き込まれる、不思議なストーリー展開

最近観た作品「2時間の中にいろんなことを詰め込みました!」と情報量の多いせわしない作品が多くて、「前半のんびりしてたのに後半怒涛だな」「おう、あの中盤の勢い何だったんだ」とか「嵐のように過ぎ去った話だな」と後味の悪い時間軸のものばかりであった。その点「水曜日が消えた」はほぼ一定のリズムでいい意味で大きな山も谷もなく、いいテンポで話が進んでいった。

映画にハラハラドキドキを求める人には刺さらないかもしれないが、映画館でゆっくりリラックスしたい、ほっこりしたいという人にすごくおすすめである。

 

・火曜日がとにかくかわいい

中村倫也さん不老不死の薬飲んだのかと思うくらいかわいい。30overであのかわいらしさが出せるのちょっと意味が分からない。(ほめてる)

 

・「1人7役」というフレーズが独り歩きしているが、ただの「着せ替え★ともにゃん」にならなかったのはさすが中村倫也氏と言わざるを得ない

話のメインが火曜日(と、たまに月曜日)であとの曜日はサブ的扱いではあるが、全曜日表情も話し方も全然違う。7通りの人格がいれば演技に既視感を覚えてもおかしくないのに、「この曜日の雰囲気、あのドラマのあの役っぽい」と思うことがなかった。全部新鮮。欲を言えばスポーツしてる水曜日が観たかった。あと、土曜日もっと観たかった。かわいい。

 

・曜日ごとに人格が入れ替わり、記憶も自分の担当曜日の分しかない、という設定自体は完全にフィクションだが、「曜日ごとの自分」という概念は他人事じゃないなと思った。

私の場合は完全に「平日の自分」と「土日の自分」くらいにしか分けられないし、平日と土日が一続きになっているから物語の軸からはもちろんずれるのだが。

もう少し深く言えば、私の場合曜日ごとの人格というより「曜日に対するスタンスの違い」ではあるが。月曜日は、ちょっと休日の余韻を残して70パーセントくらいの生産性で、火・水がピークかな。で、木曜日は朝、伊野尾くん観て「あと2日だがんばろう」と守りの姿勢に入って金曜日は残りの気力を振り絞り土日への準備をする。木金もまた70パーセントくらいの生産性。そして、土日は平日に着てた鎧を外して素の自分で生産性という概念0ののんびり好きなことして過ごす。

なんとなく続く平日と、いつもとちょっと違う土日。

私にとって火曜日は、月曜日の次の、水曜日の前の曜日。金曜日は木曜日の後の、土日の前の曜日でしかない。

曜日ごとに違う生き方をする「僕」は不便そうだけど、でもちょっとうらやましい。

曜日ごとに人格を入れ替えることは無理でも、自分が曜日に人格というか特徴を与えて過ごすというのはおもしろいだろうなと思った。

もともとテレビっ子だから「月曜日は月9観て、火曜日はTBSの火10観て、水曜日は日テレ水10ドラマ、テレ東ドラマホリック、家事ヤロウ、木曜はアメトーーク、金曜はマツコ有吉・Mステ、TBS金10ドラマたまに金ロー、テレ朝のドラマ」と曜日ごとに楽しみを用意しているけど、それ以外にも習い事入れるとか、何か買って帰るとか、この曜日にだけ会う人を作るとかしたら、楽しくなるんだろうなと思った。

特に今在宅勤務で、土日みたいなのんびり感を平日に持ち込んでしまっており、毎日が平凡で退屈になってしまっている。テレビもありがたいけど、曜日ごとに散歩コースを変えるとか、この曜日にはこれ、というイベントを与えるとかして曜日にキャラクターを与えてみてもいいのかもしれないなと思う。

 

・一ノ瀬と瑞野

何かが始まって何かが終わるほどの展開はないけれど二人ともが魅力的でどちらも応援したくなる。登場するシーンがそんなに多くないのに、「どっちと結ばれてもいいし、むしろ両方結ばれろ」と思うくらい引き寄せられる。あと単純に二人とも顔がタイプ

 

・登場人物みんな優しい

誰かを困らせようとか、はめようとか、そういう感情が全くない。(月曜日もきっと火曜日を困らせようとしてたわけじゃないと思う)かといって、変に同情したり、優しくしたりしてる節もない。みんながみんな自分を大事にしている、そんな人間関係がいとおしい。

 

・主題歌「Alba」がいい

須田景凪さん、この作品を観るまで勉強不足で存じ上げなかったのだが、この素敵な作品に素敵さの追い打ちをかける、大正解な主題歌だった。イントロの軽いようで甘い、でも奥深い、初めて聴いたときから未だに抜け出せない。1曲まるごと作品として完璧。。

 

まとまりのない感想ではあるが、とにかく何が言いたいかというと「コロナ自粛ですさんだ心にちょっとだけ水分を与えてくれる、そんな優しい作品。そろそろ上映回数も減ってきているので、気になった方は劇場へ!!」

 

以上。

 

「騙し絵の牙」上映まだかな