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関西の”8人の小人”と紡ぐFunkyな日々

舞台Run for your wife 名古屋公演の感想 #ランフォー

先週末、ウィンクあいちで上演された「Run for your wife」を観劇した。

諸々がうまく進んでいれば昨日大阪公演の千秋楽にお邪魔できていたはずなのに、と考えると残念で仕方がないが、公には「中止」とされているものの、「延期」扱いにできるように舞台セットは保管していただけるとのことなので、「延期」そして、欲張って「再演」を期待したい。

 

■舞台の感想

長年愛されてきた世界的な名作ミュージカルというだけあって、お話の筋がしっかりしていて安心してストーリーに没入できた。

舞台セットから、小道具、衣装に至るまでどれも品があって、イギリスの雰囲気を味わうことが出来、ほんの2時間半だけでもイギリスに旅行させてもらえているような感覚だった。この1年気軽に旅行どころか出かけることすらままならなかったので、非日常を強く感じることが出来てよりありがたかった。

舞台セットで特に好きだったのが、舞台後方のメアリー宅・バーバラ宅の窓から見える庭園だった。窓から見えるお花もきれいだったし、窓から見えるお花と光を通して時間の経過を把握できて、素晴らしい演出技術だと思った。

舞台を生業にされている方たちのお仕事なので、それくらい当たり前なのかもしれないけれど、自分の好きな人が主演する舞台に、各分野のたくさんの方のプロ根性と愛が注ぎ込まれていることを実感して、すごく嬉しかった。

そして何より、カンパニーの方々の安心安定の演技力が単純に「好きな人が出ている舞台」で終わりかねなかった公演を毎回「上質な観劇時間」にしてくださった。

舞台班でいる限り、演目との相性問題は切っても切れないものだと覚悟しているため、あまり期待せず「お話よくわからなかったけど、○○くんが観られたからそれだけでいい」というスタンスを取ることにしている。

今回の作品はそもそも世界的な名作ということで本への心配はもともとなかったが、実際に舞台を観てお目当ての方の有無は関係なく、純粋に満足できる公演だった。

そして、プロの方々にこういった発言をするのは失礼かもしれないが、脇を固めてくださった共演者の方々のおかげで、「何が出来ていて何が出来ていないか」がはっきりと可視化されたと思う。

舞台役者としてのキャリアの中で、発展途上の役者志望アイドルの育成目的の舞台に出演すること、観客の多くがアイドル目当てのアウェーな現場でプロの仕事をすること、「物足りなさを感じてないかな」とか「やりづらくないかな」と申し訳なさを感じることもあるが、一流の役者さんのお芝居に触れさせてもらえて、私にとってはとてもありがたい経験だった。

 

個人的に、新垣里沙さんのご活躍を生で拝見することが出来たのが感慨深かった。単純に黄金期ドンピシャ世代で、5期生加入のオーディションもリアルタイムで観ていたから、時を超えて生でお姿拝見できたのがすごく嬉しかった。めちゃくちゃ可愛かった。

めちゃくちゃ可愛い一方、名古屋千穐楽でのコメントが短尺で要点まとめてあってカッコよくて、さらに2回目のカーテンコールで通常今江くんだけがステージに残る瞬間があるんだけど、いつも通りハケようとする楽ちゃんを捕まえて舞台中央に行って今江くんと一緒にいるようにと誘導してるとっさの一瞬の動きがハンサムすぎて惚れた。

 

それと、緒月遠麻さんの存在感がめちゃくちゃしびれた、憧れた。

舞台でのお芝居のことは知識が浅くて何が正しいかいまいちよくわかってないんだけど、今江くんのお芝居での立ち振る舞いで「セリフがないときにも表情やしぐさで演技してて良い」と評価されてるのをよく目にするんだけど、失礼ながら「ちょっとオーバーすぎるような」と違和感があって。

他の方はどういう立ち振る舞いしてるんだろうか、と思って意識して観てみたときに、緒月さんのお芝居中の挙動の自然さ、バーバラのオーラ・空気感に説得力の強さを感じた。緒月さんのお芝居は、トラブルに巻き込まれて困惑したり、ジョンのよくわからない行動に怒ったりしてるときも、セリフがないときにオーバーな動きをしなくても存在感があったしその時々の心情がオーラとして周りを漂っていた。

今江くんの芝居は役柄的な面もあるから、ご自身の演技プランなのか演出なのかそのあたりなんとも言えないけど、緒月さんを観て「立ってるだけでも座ってるだけでも、ただそこにいるだけでお芝居なんだな」と学びが多かった。

 

津山くんもすごく芸達者だったし、清水さん我さんの安定感とパパ感に心がほっこりしたし、ちゅうえいの芸達者っぷりにも触れられてものすごく貴重な経験だった。

それに、楽ちゃんが生き生きとお芝居していてすごく楽しそうで、いい楽ちゃんが観られてよかった。謙虚すぎる楽ちゃんも素敵だけど、この舞台が楽ちゃんにとって、自信や飛躍のきっかけになってくれたらいいな、と思った。

ランフォーユアワイユ、好きな人の主演舞台であることはもちろんのこと、素敵なカンパニーの皆さんスタッフの皆さんのお仕事に触れることが出来て、大満足な舞台だった。

 

幻となってしまった大阪公演の早期復活と、それとは別に再演を期待します。

そして、今回のご縁をきっかけに、SHY-BOYさん企画で他の作品でも今江くんのお芝居が見られますように・・・。

 

■最後に舞台Run for your wifeに携わる全ての方々へ

関係者のコロナ感染による公演中止というお話が多い中、関係者の皆さんが感染予防のために強い意識を持って動いてくださっていたこと、そして舞台関係者誰一人コロナに感染しなかった運の強さに感謝しています。また、観客が安心して観劇できるよう様々な配慮をしてくださり、ありがとうございました。

コロナ禍で落ち込むことが多い日々でしたが、ランフォーのおかげでたくさん笑って日々のもやもやがぱっと晴れました。

大阪公演の延期(公には中止だけど、延期と言い張ります)は残念だけど、期間をあけてさらにパワーアップした公演が観られることを期待しています。

舞台の発表から名古屋千穐楽までの間、たくさんの希望とワクワクをありがとうございました。

今後の皆様のご活躍を楽しみにしております。