「こなれ感」とFunky8の話
「こなれ感」「小慣れ感」
ここ最近、どの雑誌を見ても必ずといっていいほど、この用語を目にする。
ちょっと前まで「きちんと」とか「コンサバ」なんて言葉が流行っていたよう思うが、今は全部が全部そうではないらしい。
ちなみに「こなれ感」というのはざっくり言うと
「頑張っておしゃれしてきました」感を出さず、簡単に着こなしている様子。また、ちょっとした工夫をして、そう見せること。これを出せるとおしゃれ上級者的な扱いを受けることができる。
「こなれ感」「抜け感」…知らないとちょっと恥ずかしい、春のおしゃれ用語辞典【定番編】 - Woman Insight | 雑誌の枠を超えたモデル・ファッション情報発信サイト
ということらしい。
どうも「こなれ」と「頑張り」は対極というわけではないようで
「あからさまな”頑張った”アピールをせずとも実は頑張っている。」「”頑張り”を”こなれ”が包括している」「”こなれ”の為に”頑張る(工夫を凝らす)”」ということなのかと私はざっくりと解釈している。
その頑張ってる感をいかに隠しおしゃれにかっこよく見せるかが良しとされるようだ。
「こなれ感」や同様に最近流行りの「抜け感」についての特集を読んで
正直”こなれ”・”抜け”感と”だらしなさ”の違いが分からなかったけれど、
それでも「こなれ感」という用語の響き・概念は私にはとても魅力的なものに思えた。
”頑張ってる感”が重宝される世の中で
「頑張りが見られない」
社会人になって数年したところで、当時の職場の先輩から言われたこの言葉が、未だに忘れられないでいる。
私は「頑張る」「頑張ってる」といったワードを評価の対象と捉えたことがなかった。
頑張ることは当たり前だけれど、「頑張ってる感」を出すことはダサいことだと思っていた。「成功」「成果」、それに向かうプロセスにおける「余裕なふるまい」で”頑張り”を隠すことが私の目指すところだったし、今後もそうありたいと考えている。
けれどここ最近、目に見える「がんばってる感」が評価されることが多い気がする。
就職活動時、「社会人になったら、過程なんてどうだっていい”結果がすべて” という世界に飛び込むことになるんだ」なんて言葉をよく耳にしたが、社会人になってはや云年、結果はもちろん大事だけど過程・・・というかいわゆる”努力した感””頑張ってる感”を求められたことが度々あった。
そういえばエンタメ業界においても、コンサDVDの特典映像、48Gの映画において”ドキュメンタリー”というコンテンツの存在感がここ数年より強くなっている気がする。
完成品の制作”過程”を見られ、知的好奇心をくすぐられる為私はすごく好きなコンテンツなのだが、
それ以上にドキュメンタリーが受け入れられ重宝される理由に”頑張ってるところが見られる”という点があるのだと思う。
今、世の中が求めているのは目に見える”頑張り”なのかもしれない。
白鳥たちはそう見えないとこでバタ足するんです
これは「Don't say "lazy"」で一番好きなフレーズだが
私も白鳥のようでありたいと思い、故に”頑張り”という概念よりも”小慣れた感じ”を魅力的に感じてしまうのだ。
小慣れ踊り子集団Funky8の話
そう考えたとき、私が今便宜上度々自ユニと呼ぶ”(自称)Funky8”はものすごく”こなれ感”という概念に近いところにいるのではないかと感じた。
私がFunky8を好きな理由の1つに「安心して見ていられる」が挙げられる。
芸歴・キャリアによるものもあるかもしれないが「ダンス」「歌」「喋り」から「大道具の移動」まで彼らが携わる全てのものに「安心感」があり、その安心感が土台にあるからこそ「次はどんなパフォーマンスを見せてくれるんだろう」とワクワク出来る。
もちろんそんなこと”プロ”たる者当たり前のことなのかもしれない。
それでも、彼らのその「安心感」、しかもそれらをケロっとした顔でこなす「余裕」
は(新規ファンの私が偉そうに言うのもなんだが)とても誇らしい。
昨年から今年春にかけての彼らの活躍は本当にすさまじいものであった。
時には毎月恒例の仕事の他に現場仕事(時に複数かけもち)をこなしていたが
彼らは自らその”大変さ”を深く説明したりアピールすることはなかったよう感じる。
雑誌やラジオでツアー等の大きな仕事の大変さを尋ねられても
”大変”とか”頑張った”という話より、”楽しかった”とか”良い経験になった”といった前向きな話をすることが多かった。
クリパ・JUMPカウコン・ラキセバックと超過密スケジュールだった2015年末~16年頭についても、彼らの口から”頑張った”アピールを聞くことは殆どなく
・東京でのラキセリハーサル後の帰りに新幹線でデッキで練習していた。
トンネルに入ったとき窓を鏡に見立てて自分たちの姿を確認していた。
(ラキセ大阪1月MC:ジャニーズWEST)
・(ラキセ期間中・当日リハ)本来Jr.は参加する必要のないサウンドチェックに参加し、朝から本気で踊り、ときにはわざとバカやってスタッフさんを盛り上げてくれた。
(5月発売$誌:重岡くん)
と外部からの言葉で彼らの努力を知ることが多かった。
本人たちから発せられた内容も
(「優馬ソロとパリピポツアーのかけもちで忙しかったのでは?」という問いに対して)
・優馬コン2公演あってバスで移動して夜22時から翌日も朝からWESTのリハーサルがあり確かに忙しかったが「絶対疲れてる感は出さんどこう」と皆で決めて取り組んだ。
(2015/5/24 JAM×JAM 真鳥・古謝・今江)
(ダンサーじゃないから完璧に踊れなくてもいいという考えもどこかにあったが優馬コンを経験し「今より上手くなりたい」と思うようになり)
・スタジオを借りて練習するようになった。
(Dance SQUARE vol12)
と”大変” ”忙しい” ”頑張った”というようなワードは時に出てきたものの、ただ”大変だった” ”頑張った” ”忙しかった”というネガティブな印象で終わらせることなく、それ以上に前向きな、達成感に似た印象を与えてくれた。
いつも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる、いわば「デキる集団」Funky8。「オレたちはこれだけ頑張ってるんだ!努力しているんだ!」という”頑張ってるアピール”を殆どしない彼らは、「ガツガツ感が足りない」とか「アピール下手」と言われるかもしれない。でも私はそんな彼らの「奥ゆかしさ」というか、いわゆる「こなれ感」がたまらなく好きだ。
”こなれ集団” Funky8(公式)に期待したい
少し前の話をするが、3月末から4月頭に行われた松竹座春公演にFunky8の出演はなかった。
ラキセがあるから・・・と無理やり頭で消化したつもりでいたものの、出演者発表後2カ月半近くは感情をうまく処理できていなかった。今考えたらものすごく恥ずかしい話なのだが、何を考えてもネガティブな方に結論づけてしまう部分もあった。
そんな中で
ラキセ仙台MCにFunky8(-丈ちゃん)が参加させてもらったときの桐山くんのこの言葉にすごく救われた。
彼らにバックか松竹かを選ぶ余地があったかどうかは知る由もないのだが、彼らがダンサー集団として大きな前向きな一歩を踏み出したような気がして、
涙でほんの少し緩んでいた地面が一気に固まったような、明るい光が差し込んできたようだった。
このMCの後、関西ジャニーズJr.コーナー からアンコールにかけて
いつも笑顔と元気で輝いている彼らがより一層キラキラして見えた。
思えばツアーの最後の最後で人数も立ち位置もガラっと変わった仙台公演、
”大変”なこともたくさんあっただろう。それでもその”大変さ”を全く感じさせない・人数の少なさを全く感じさせない堂々とした立ち振る舞いは本当に見事だった。
そんな中で楽しそうに生き生きとした表情で踊るFunky8はいわば正真正銘の”こなれ”集団だった。
先日ANOTHERの日程が発表された。
未だ「(自称)Funky8」と、ユニット名が確定していない彼らではあるが、夏までにFunky8が(公式)になることを願いつつ
次に8人揃ったとき、どんな新しいパフォーマンスを見せてくれるか、どんな”小慣れ感”を見せてくれるのかと、とても期待している。
そして「昨年のように松竹座以外で彼らの”こなれた”活躍が見られますように」・・・と希望的観測のようで確信に近い感情を抱きながら、
私自身も仕事・プライベート・おたくと様々な場面で”こなれ感”を出せるよう自分磨きに取り組んでいこうと思う。
2016年夏、私のテーマは
「今江担の”こなれた”お姉さん と呼ばれる」
うん、悪くないかも!